保証債務をきれいにするには

倒産・経営破綻した、破産した企業の実際や実態をもとにし、自社を省みることで経営悪化を未然に防ぎましょう。

また、事業の再生・再建をする上で間違えた選択をしないことにも役立つはずです。

(ちなみに、これらは銀行員、中小企業診断士、コンサルタントとして直面し、体験してきたことから記載しています。)


 

別ページ「連帯保証債務はどこまでも付いてくる」で述べましたが、保証債務は相続もされるくらい、連帯保証人やその家族に付きまとってきます。

 

このため、残された保証債務に苦しめられ、人生を狂わされた、というような話も見たり聞いたりします。

とはいえ、保証債務をキレイに清算した人も多くいます。

 

例ですが、連帯保証人をしたがゆえに、保証債務を背負わされた「Aさん」とします。

Aさんは会社勤めのサラリーマンで妻子があるとします。

住宅ローンがあり、ローン残高がまだ1,800万円残っており、土地建物は住宅ローンの担保になっています。

生活レベルは普通程度で、ローンの支払いや子供の学費もあり、毎月貯蓄ができるほどの余裕はそれほどありません。

保証債務は友人の会社が破産したために降りかかってきました。残った債務額は2,000万円です。

友人の会社は破産によって資産もすべて処分され、友人も破産して連絡が付かない状況です。

 

ある日、金融機関から残された債務額に対する一括支払請求が内容証明郵便で送付され、事の顛末を初めて知ることになりました。

そこには「支払われない際には、法的手続きを取らせていただきます」等の恐ろしい文言も書かれていました。

 

さて、Aさんはどうするべきでしょうか?

次の3つの選択肢があるとすれば、どれを選ぶべきでしょうか?

1)支払う資金が無いので、そのまま放置する

2)保証債務2,000万円を何とか工面して払う

3)金融機関に行き、とりあえず話し合う

 

1)を選んだ場合

Aさんは連帯保証人ですから、金融機関は弁護士を使って、Aさんの資産を調査の上、すべての資産に差し押さえを請求します。

Aさんの名義の預金口座はすべて差し押さえるでしょう。また、給与についても差し押さえがなされるでしょう。

Aさんが所有権を有する土地建物については、差し押さえ請求がなされます。

これらにより、住宅ローンで問題が発生します。住宅ローンのほうの契約がありますが、差し押さえの条項があるため、住宅ローンの期限の利益(長期間に渡り分割払いをする取り決め)が無くなり、一括請求されることになります。

住宅ローンを借りた銀行等から一括請求され、また不動産の処分手続きを申し立てられることになります。

すべての資産の差し押さえをされた後、保証債務だけでなく、住宅ローンも一括請求されます。

住宅は競売にかけられ処分されます。その代金は住宅ローン、保証債務の返済に充当されます。

恐らくは、まだ債務が残る状況ですから、Aさんはどの時点で自己破産するかどうかです。

この選択は最低の結果になりますので、通知を放置するのはやめましょう。

 

2)を選んだ場合

「保証債務2,000万円を何とか工面して払う」ということは、家族や親戚に頼るか、どこかで新たに借入をして、預貯金と併せて2,000万円を用意して、支払うこととなります。

この場合、できれば金融機関などに借りることは避けるようにし、親族間で協力しあうようにしてください。

住宅ローンの返済に、別の借入金の返済が加わると、給与では不足することが明らかですし、生活が破綻しますので、Aさんは「後々破産する可能性」をはらんだまま、借金に追われる生活をしなければならなくなります。

親族間の協力を得られ、資金を工面して、保証債務を一括で支払えば、保証債務の問題は解消します。

ただ、親族から借りた資金は残りますので、これは「あるとき払い」のような支払をしていくか、何年か何十年かに分けて返すことになるでしょうか。

 

3)を選んだ場合

「金融機関に行き、とりあえず話し合う」というのが一番多いでしょう。

何せ事態が分からない上、どう対応していいのかも大抵の方は分からないので、とりあえず、金融機関に出向き話を聞き、相談するべきでしょう。(出向く際は、家族や知人と複数名で行動してください。一人ではダメですよ。)

ここで重要なのは、

1.連帯保証人としての債務の状況を確認すること。(できれば残高の書面をもらうこと。)

2.連帯保証人として契約書に署名捺印しているか否かを確認すること。(できれば契約書のコピーをもらうこと。)

身に覚えが無い連帯保証人契約というケースもありますから、署名捺印の字体と印影を確認します。(身に覚えのない連帯保証人契約の場合は、刑事・民事の「詐欺」に相当しますから、保証債務を支払う必要は無いですが、どう対処すべきかを金融機関とよく相談してください。)

そして、ここからお互いにじっくり話をすべきです。

1.一括で支払える状況なのか否か、工面できるか否かという窮状を素直に伝えます。

2.一括で支払える状況ではないが、自分の手持ちの預貯金等ですぐに支払えるのはいくらまでかを伝えます。

3.サラリーマンで収入に限度があり、住宅ローンの返済があるため、毎月いくらまでしか支払できないことを伝えます。

4.資産や給与を差し押さえられたら、職を失う可能性も考えられ、破産するしか手がなくなることを伝えます。

 

連帯保証人の置かれた状況と残った保証債務の回収見込み状況によりますが、金融機関としては少しでも多く回収が出来ることを望んでいます。

いま、Aさんには既に住宅ローンがあり、住宅を処分しても住宅ローンの返済に充当されるため、保証債務に回ってくる資金が無いとなれば、金融機関はAさんの資産に差し押さえをしても、Aさんを破産に追い込むだけになると考えるはずです。

(仮にAさんがその金融機関に預金口座を持っている場合、Aさんの預金口座は友人の会社が破産した時点で「口座凍結」され、保証債務と相殺処理され、口座残高はゼロのはずです。)

Aさんがこのまま自己破産を申し立てすると、金融機関はAさんから支払ってもらえる可能性を自分から閉じることになり、差押え手続き等をする費用だけが嵩むことになりそうです。

ということは、金融機関としても、Aさんと何らかの折り合いを見出さなければ、得られる利益を放棄しなければならなくなるわけです。

 

まあ、ここら辺りは駆け引き的な感じですが、金融機関としてどういう策を考えるかです。

1.Aさんが破産しようが関係なく、回収見込みが無くても、法的手続きをやる。

2.Aさんの不動産に担保設定をし、超長期でも分割払いをしてもらう。(管理コストが嵩む。)

3.Aさんが今一括で払える金額を受け取り、残りを超長期で支払ってもらう。(管理コストが嵩む。)

4.Aさんが今一括で払える金額を受け取り、それ以上は請求しない。(管理コストはゼロ。)

5.一切請求せず、全額損失として処理する。

これらの中で合理的な選択肢は3、4、5になります。

しかし、金融機関内部では、

選択肢3.は、事務的手続き等が新たに発生する上、長期間の管理が発生するので、採択しないでしょう。

選択肢5.は、楽な処理ですが、背任的な処理になり、後々のトラブルになるので、採択できないでしょう。

選択肢4.が、処理をした経緯・説明がしやすく、かつ道徳的処理ともいえます。損失処理も完了できるので、最も合理的です。

 

このように、真摯に向き合い、ウソや偽りの無い上で、金融機関と交渉をすることで、折り合いを見出せることも少なくありません。

連帯保証人は債務者と同じ責任を負うため、一円も払わず債務から逃れることはできません。

ただ、状況によっては、全額支払わなくても金融機関側が損切りし、免責手続きを取れることもあります。

 

こういう話合いは、債務者も債権者もお互いに嫌なものです。

そこで債務者(連帯保証人)が自己の都合や保身ばかり言えば、債権者の金融機関は正直言って「腹が立ちます」。

(ここに至るまでに、主たる債務者(会社と代表者)は突然破産して迷惑を掛けているので、金融機関は怒っていますからね。)

債権者有利の状況において、ウソとか偽りとか自己保身が先に立つと、債権者は「こいつ~~、何としても回収してやろう」とへそを曲げることもあります。それに、交渉にならなければ、債権者は粛々と淡々と法的手続きをすれば良いと思っていますから。

 

人と人が腹を割った交渉をすれば、「困ったときはお互い様」となるし、債権者は「何とか方法を考えてみます」となるものです。

 

今回の話はケースバイケースですから、上記はあくまでも例示です。ですが、実際に私が経験してきた話です。

 

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