破産(申立)した会社のサルベージは困難でしかない

倒産・経営破綻した、破産した企業の実際や実態をもとにし、自社を省みることで経営悪化を未然に防ぎましょう。

また、事業の再生・再建をする上で間違えた選択をしないことにも役立つはずです。

(ちなみに、これらは銀行員、中小企業診断士、コンサルタントとして直面し、体験してきたことから記載しています。)


 

実は、私過去に、破産申立をした会社をサルベージしようとしたことがあります。

(サルベージ:沈没船を海底から引き揚げることで使われます。)

地方裁判所に破産申立をした中小企業の株主であったのですが、破産申立が受理され、官報に掲載された後に、この中小企業をサルベージしようとしたのです。

債権者の数はそれほど多くなく、地方銀行、政府系金融機関、信用保証協会、税務署等官庁、一般法人個人で10数軒ほどでした。

債務額は相当ありましたが、資産としての不動産と機械等設備、仕掛品・材料・半製品・製品があり、債務残高と残された資産を比べても、それほど実質的な負債は残らないものと思いました。

 

まあ、地方の中小企業ですが、私は長年の株主であるということから、縁故関係であることもあり、破産をそのまま放置するのも空しいうえ、熟練された職人たちとその会社が蓄積してきた長年の実績と技術、顧客を無に帰すのは、当該の業界としても損失であると判断したためです。

また、私はその会社の技術や製造ノウハウを熟知していたこと、販路もあること、私自身も会社経営をしていることから、いっそのことサルベージし、債務等を整理して、私の会社に吸収し、再出発させることを考えていました。

 

そこで、事業計画書を作成し、サルベージ作戦に取り掛かりました。

既に破産が受理されており、債権者届が各債権者から提出されるまでは、破産会社の全体像が把握できないのですが、大まかな事業計画を銀行等債権者に事前に相談し、サルベージ作戦への協力を取り付けることから始めました。

破産というのはご存知の通り、裁判所と破産管財人に会社の清算を委ねる処理であって、法的にも社会的にも「最終手段」になるため、大口債権者である金融機関の協力を得ることは、そう容易いことではありません。

とはいえ、サルベージに協力してもらう必要があるため、こちらとしては金融機関各社に「損失が発生しない」形に持っていくことを第一の約束とし「破産時点での債権元本は全額返済できるようにする」ということを約束しました。

サルベージ作戦に至るまでの相談や関係性等もあって、各金融機関の協力を取り付けることには成功しました。

 

その後、破産債権の全体が分かり、破産会社の状態が分かり、現地視察を行いました。

次に、全体像をまとめ、登記簿等を洗い出し、こちらの事業計画書等を練り、各金融機関に提出し、この計画で行けるか否か相談です。

サルベージ作戦には新規融資も必要になるため、その新規融資の事前協議も兼ねての相談です。

数か月程度をこれらに要したのですが、結果さえ出れば、サルベージに取り掛かるのは速いものです。

 

地方金融機関と信用保証協会がメインになるため、すったもんだがあるのですが、結果としては「破産受理された債権」を血縁のある縁故者が新規融資を受けてサルベージすることには、「総合的に判断して承知致しかねる」というものでした。

つまり、「新規融資は否決」なので、サルベージ作戦は中断せざるを得なくなりました。

 

ここで重要なことがあります。

1つ目は、「破産」は法的最終手段であり、代表者も破産を同時申立していること。(この代表者の個人的な債務で銀行が損をしている。)

2つ目は、破産会社の債務の連帯保証人は私の縁故者になり、大きく捉えると「一族」であって、仮に連帯保証人が死去しても、連帯保証の保証債務が3親等内に及ぶことから、連帯保証を相続する可能性が消えないこと。他の親族が相続放棄しても、今回のサルベージ作戦で主債務者となる会社の代表者である私は相続放棄をすることが出来ても、その時点で不義理が生じること。

3つ目は、破産会社の破産に至るまでの経緯(販路との関係性の棄損)があり、新会社が販路との関係性を修復することを含め、事業計画が円滑に遂行できるか否かが不明瞭と言わざるを得ない、ということ。

これらの3点が重要で、事前協議で銀行の一つが当社のサルベージ作戦から降りることになりました。

 

銀行の上層部から聞きましたが、審査会での多数決も1票差での判断だったとのことでした。

地方銀行からすれば、突拍子も無いような案件であるが、地域経済や当該業界のこともあり、支援したいものの、最後の最後は「破産申立」がネックになり、厳しい判断をしたとのことでした。

 

困ったものの、他の金融機関の債権者はそれでも協力してくれる方針で、こちらとしても別の金融機関を探して、サルベージ作戦を続行しようと頑張りました。

ただ、地方というのは狭い世界ですから、情報も筒抜けのようなところもあり、別の金融機関の耳にも先の銀行の話が聞こえているような感じがあり、どこも及び腰になっていました。

メガバンクでの相談も考えられましたが、あくまでも地方を地盤にする中小企業として再出発させる考えもあり、業界や地元関係者との関係性もあり、地方銀行での取り上げが希望でした。(将来のことを考えてのことです。)

 

メガバンクやファンドで資金を集める策も検討しましたが、条件等々もいろいろあり、地銀上層部の話もあり、結果、資金調達にあれこれと歩くのを一度辞めることにしました。

少し距離を置いて、サルベージ作戦そのものを見直すことにしたのです。

その後、地域環境等の変化、景気見通し、人材確保等あらゆる面の将来的なことを考えて、サルベージ作戦から撤退することとしました。

(このサルベージ作戦については、細かなことを別記事で掲載することもあるかと思います。)

 

サルベージ作戦には、時間とお金と労力を費やしました。

得た教訓はありますが、法的に破産した会社をサルベージするのは、相当困難です。

 

ちなみに、資金的な余裕が十分にあり、融資に頼ることが無ければ、破産会社もサルベージできます。

破産管財人を中心に各債権者と交渉し、「破産中止申立」ができ、裁判所が認めれば可能です。

 

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