case62・・・事業性評価融資~研究・研修~

「事業性評価融資」や「事業性評価に基づく融資」というのは、端的には、「事業性を評価した担保・保証によらない融資」(以下、「事業性評価に基づく融資」という。)と金融庁が言っているもので、決算書の内容や保証・担保だけで判断するのではなく、事業内容や成長可能性等も評価して行う融資、ということです。

平成26年夏頃にこの言葉が金融庁から出てきます。

(参考:http://www.fsa.go.jp/news/26/20140911-1/02.pdf)

(参考:円滑な資金供給の促進に向けて:http://www.fsa.go.jp/news/27/ginkou/20150730-1/01.pdf)

「事業性評価融資」については、「case53・・・事業性評価融資とは?」でも説明していますので、左記リンクからご参照ください。


 

事業性評価融資では、経営計画書や事業計画書にはじまり、知的資産評価、個別ノウハウの評価など総合評価が必要となるかと思われます。

ここでは、case53の中で書き出したリストについて、一つ一つについて説明したいと考えております。

以下は、case53で挙げた見るべきポイントの一覧です。

  1. 経営者の姿勢、やる気、人柄、経歴、人脈、健康状態、家庭環境
  2. 従業員との関係、従業員間の連携具合
  3. 技術力の裏付け(従業員の技術・処理能力や余力、保有機械の技術・処理能力や余力、材料・技術等の組み合わせ、独自ノウハウ、特許・意匠、非公開技術、作成・納入事例、受賞歴など)
  4. 製品・サービスの特異性や競争力、差別要因
  5. 仕入から納品までの各工程の作業内容、特異性
  6. 商品設計やデザイン設計等初期工程でのノウハウ、工夫、アイデア
  7. 営業・企画・広告のノウハウ、工夫、アイデア、実績、計画
  8. 工場・倉庫・営業所等のレイアウトや5Sの状況、工夫
  9. 工場機械設備、冶具、車両等の保有・稼働状況
  10. 研究・研修の取組状況・実施体制
  11. 仕入先との連携・関係
  12. 販売先との連携・関係
  13. 展開・進出可能なエリア、業界、業種
  14. 専門機関、研究機関、専門家等外部との連携
  15. そのほか

 

今回は、事業性の評価として、「研究・研修の取組状況・実施体制」に関するポイントについて述べます。

 

研究・研修について、融資審査の中で評価するのは難しい部分かとは思われます。

1.研究

「研究」をどう捉えるかですが、他社や他社製品・サービスのことを調べるのも「研究」であって、新しい素材・技術・組み合わせなどを考えるのも「研究」であって、「次の手」「新しい方法」「新しい商品・サービス」「コストダウンの方法」「改善策」などを考え、生み出すには欠かせないものです。

こう捉えれば、どんな企業でも「研究」というものに取り組んでいるのではないでしょうか。

平たく言えば、「明日」「将来」「未来」のことを考えているか否かということかも知れません。

そう捉えれば、「研究」部署という名でなくとも、「企画・開発」「経営戦略」も同じ意味合いです。

「今のことだけでなく、先のことをどう考えているか」ということで、それを経営者だけでなく、会社全体として取り組んでいるかどうかです。

 

何が言いたいかというと、経営者は会社の明日、将来のことを常に考えて、行動していくのが当たり前で、それが一番の仕事です。

と言っても、経営者だけが考えていれば良いわけではなく、中小企業がそれなりの大きさになってくれば、会社全体としてどう考え、取り組んでいくかという企画立案をしたり、研究する人材や部署も必要になってきます。

同族会社で経営者やその親族だけが会社の将来を考えている、というところも多いでしょうが、移り変わりの激しい時代に果たしてそれでいいのでしょうか?

同じような環境の人だけでは、同じや似通った考え方に落ち着き、なかなか新しい意見やアイデアは生まれません。

そういった閉塞感をなくすためにも、会社にいる人材にも考え、アイデアを出してもらい、行動してもらうべきです。

 

人数が少ない会社の場合はどうすれば良いか。

経営者が何でもやらなければならないのは分かります。

人が少なくて、社員が職人だけとか営業だけという会社でも、その社員の誰かに「研究・開発」責任者を兼任してもらうというだけで、当人の意識は変わります。(手当を付与するとより責任感は増すでしょう。)

そして、定例の幹部会議等で発言してもらったり、話し合ったりしていくことです。

 

こういう取り組みはパッと見て、分かりやすいものではありませんが、「昨日も今日も明日も目の前のことをやればいい」といった変化の無い、硬直した感じにはならないはずです。

経営状況が芳しくない会社を多く見てきましたが、大抵の場合、「経営者しか先のことを考えて行動していない」か「経営者も考えていない」という傾向があります。

そして、経営者に聞いても、「社員にはそんなこと(ここでいう研究・開発)はさせていない、任せていない」という感じです。

反対に経営状況が良い会社では、担当部署や担当者にある程度任せていて、新しい意見・アイデア・商品・方法といったものに次々と取り組もうとしているものです。経営者はその判断と決断をし、後押しや尻拭いをするというのが仕事です。

 

事業性の評価をする際、「研究・開発」の観点で、経営者と社員・職人でどういう関係になっているか、権限を与えているか、どの社員が「研究・開発」の責任者か、体制はどうなっているか、などをチェックする必要があるでしょう。

現場でそれらをチェックできれば、経営計画書に書かれていることだけでなく、それがどのような背景で出てきたのか、計画書の内容や実施計画に真実味があるかどうかがキチンと判断できるはずです。

 

 

2.研修

「研修」には主として、OJT(On-the-Job Training)とOff-JT(Off-the-Job Training)があります。

 

OJTは、現任訓練といわれるもので、職場で現場で仕事を任せて訓練していくものです。またジョブローテーションを併せていくことで複数の仕事を覚えていくこともあります。

専門職を育てるならば、その部署に長く滞在させて、先輩や上司から教わっていくというものです。

雑務を何年も強いる子弟関係ではなく、先輩や上司が指導しながら職務を実際にやらせ、分からないこと・出来ないことについては質問やより詳しい説明や指導をしながら、レベルアップをしていくというものです。

多くの中小企業や小規模企業でもこのような取り組みは既に実施されていますが、時間・人員・経費の余裕が限られるため、初期段階での研修をゆっくり出来ないのが実際です。

その初期段階での研修期間の過不足を補うこと、実務上の規範のためにも、大手企業ではシステム化・合理化の意味もあり、業務ごとにマニュアルや指導書が作成されています。

「中小企業や小規模企業もマニュアルや指導書を持つべき」とは言いませんが、反復する作業や業務上の「よくあること」「よくあるQ&A」は文書にまとめ、社員で共有することは有用であり、OJTの上でも大いに役に立ちます。

(マニュアル本や指導書が用意されているのは便利である反面、それらに縛られ、柔軟な対応に欠くこともあります。どこまでをルールとするか、マニュアル等に記載するかは、よくよく吟味することは欠かせません。)

 

Off-JTは、教育訓練のことで、現場・職場から離れたところでの研修をいいます。学校教育や職業訓練も含みますし、広く言えば人材育成全般に関わることと言えます。

業務上役に立つ各種資格や免許を取得するための勉強や試験、市町村や経済団体が実施する勉強会やセミナー、職場の仲間で開催するサークルなども含みます。

これらは現場・職場から離れたところで開催されているため、基本的に、参加するか否かは各自の自由です。

ただ、業務上の利益のみならず、地域や社会への貢献という意味もあり、社員自身の人としての成長のためにも、Off-JTに積極的に取り組むようバックアップするのが企業の務めでもあります。

そこで、これらに掛かる費用を企業が負担をしたり、資格手当を支給したりする人事制度を採用する企業が多いのです。

(人材確保の上でもこれらは有用です。)

人材育成制度として人事制度の中で運用しているかどうか、チェックするといいでしょう。

 

 

上記で見てきた「研究・研修」は、「企業の存続・発展・成長」と「人の成長」いう根幹の部分に大きく影響していることがわかります。

これらを組織として取り組んでいる、制度化している、実際に運用しているということは、「将来」を考えているからこそであって、企業を事業を良くしたいからこそです。

事業性を評価する際、これらのことに取り組んでいるか、というチェックはやはり大切です。

 

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