case58・・・事業性評価融資~各工程の作業内容・特異性~

「事業性評価融資」や「事業性評価に基づく融資」というのは、端的には、「事業性を評価した担保・保証によらない融資」(以下、「事業性評価に基づく融資」という。)と金融庁が言っているもので、決算書の内容や保証・担保だけで判断するのではなく、事業内容や成長可能性等も評価して行う融資、ということです。

平成26年夏頃にこの言葉が金融庁から出てきます。

(参考:http://www.fsa.go.jp/news/26/20140911-1/02.pdf)

(参考:円滑な資金供給の促進に向けて:http://www.fsa.go.jp/news/27/ginkou/20150730-1/01.pdf)

「事業性評価融資」については、「case53・・・事業性評価融資とは?」でも説明していますので、左記リンクからご参照ください。


 

事業性評価融資では、経営計画書や事業計画書にはじまり、知的資産評価、個別ノウハウの評価など総合評価が必要となるかと思われます。

ここでは、case53の中で書き出したリストについて、一つ一つについて説明したいと考えております。

以下は、case53で挙げた見るべきポイントの一覧です。

  1. 経営者の姿勢、やる気、人柄、経歴、人脈、健康状態、家庭環境
  2. 従業員との関係、従業員間の連携具合
  3. 技術力の裏付け(従業員の技術・処理能力や余力、保有機械の技術・処理能力や余力、材料・技術等の組み合わせ、独自ノウハウ、特許・意匠、非公開技術、作成・納入事例、受賞歴など)
  4. 製品・サービスの特異性や競争力、差別要因
  5. 仕入から納品までの各工程の作業内容、特異性
  6. 商品設計やデザイン設計等初期工程でのノウハウ、工夫、アイデア
  7. 営業・企画・広告のノウハウ、工夫、アイデア、実績、計画
  8. 工場・倉庫・営業所等のレイアウトや5Sの状況、工夫
  9. 工場機械設備、冶具、車両等の保有・稼働状況
  10. 研究・研修の取組状況・実施体制
  11. 仕入先との連携・関係
  12. 販売先との連携・関係
  13. 展開・進出可能なエリア、業界、業種
  14. 専門機関、研究機関、専門家等外部との連携
  15. そのほか

 

今回は、事業性の評価として、「仕入から納品までの各工程の作業内容、特異性」に関するポイントについて述べます。

 

「case57・・・事業性評価融資~特異性・差別要因~」の中で若干触れましたが、その企業なりの特異性や差別化要因があるのかをチェックすることが、その企業の事業性の評価になります。

今回はどこにその企業なりの特異性や差別化要因があるのかを見るためにも、「仕入~納品の各工程の作業内容」について述べます。

 

メーカーでなくとも、概ね以下のような工程(手順)を踏むと思いますので、それらの各項目ごとに見ていきます。

 

  1. 材料発注(仕入)
    • 発注の仕方(大ロットか小ロットか)
    • 発注の頻度(週や月での定期的なものか、受注の都度か)
    • 発注の相手(決まった相手先か都度選定か)
  2. 外注発注
    • 材料発注と同じ
  3. 製造
    • 生産計画はきちんとしているか
    • 生産計画は受注予定と調整しているか
    • 見込み生産か受注生産か、両方か
    • 仕掛品・半製品をどのくらい持つか
    • 前工程と後工程の連携はどうか
    • 工程間で図面や指示書等を使って連携しているか
    • 職人は多能工(複数工程を持つ)か専門工(ひとつの工程のみ)か
    • 作業は手作業か機械作業か、両方か
    • 外注との連携は綿密か
  4. 組立
    • 製造と同じ
  5. 納品・物流
    • 納品や物流は、自社か販売先か外注か
    • 自社で物流を行う場合、販売先までかユーザーまでか
    • 自社で納品する場合、販売先までかユーザーまでか
    • 外注をしている場合、指示等での工夫はあるか
  6. アフターサービス
    • アフターサービス受付はあるか
    • アフターサービスは自社対応か販売先対応か
    • アフターサービスで工夫はあるか

 

工程ごとにチェックすることで、他社と違う取り組みをしている、他社よりも進んだ取り組みをしている、独自の取り組みをしているということが見えてくるはずです。

また、職人の技に依存しているのか、機械やシステムで対応しているのか、外注に依存しているのか、なども見えます。

細かな点に気を付けることが出来れば、他社との違いや差別化、特異性を見つけることにつながります。

それらが見えてくれば、経営計画書の理解が深まり、事業性の評価がより進むかと思われます。

 

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