時折、「極度って何?」「枠って?」と質問をいただきます。
事業性融資では「融資枠」とか「融資極度」という言葉を使います。
個人ローン、カードローンなどでは「ローン極度」とか「融資限度」という言葉を使っています。
厳密には「枠」と「極度」には違いがあると認識しています。
「枠」「融資枠」というのは、「融資できるある程度の枠・範囲」を示しており、銀行で「この企業にはこのくらいの金額までなら融資してもOK!」というような取り決めであって、これは半年毎や1年毎に見直しがなされます。
銀行と顧客との間に取り交わされる契約書ではなく、「会話」の中で表示される「拘束力の無い枠決め」のような感じです。
ですから、見直しごとに「融資枠」「枠」の金額が上下することになります。
その見直しには、自己査定や企業格付、普段のやりとりが影響しています。
一方の「極度」「融資限度」というのも、「枠」「融資枠」と意味合いとしては大差はありませんが、基本的には銀行と顧客の間で「契約書が交わされる」場合の融資やローンです。
分かりやすいのが「カードローン」や「事業性カードローン」や「当座貸越型ローン」です。
契約書を交わし、その文面に「融資極度は○○○万円以内」と明記されます。
契約書を交わしていますので、「融資極度○○○万円以内」であれば顧客の要請があれば、いつでも融資に応じる義務が貸し手にはあります。(例外もありますが・・・)
この「極度」「融資限度」も見直しは契約書に明記されており、契約書に記載された金額が減額されることもあります。そのルールは契約書によるでしょうが、基本としては、減額に相当するような事象(業績悪化、担保不足、約定違反等)が著しい場合でしょう。
通常通り、平常通り、概ね何事も無い場合は、この契約は更新が自動で行われるのが多いようです。
「枠」、「極度」は話の上では、概念的には大差が無いのですが、「契約書の有無」によれば「融資・払い出しに応じる義務の有無」が実際にはあるということです。
とりわけ、事業性の融資においては、「融資枠」という言葉を使い、「御社には○○○万円、○○億円までならいつでも融資します」という言葉を銀行員は使います。
ですが、これはあくまでも「拘束力の無い」話の上でのことです。
実際に融資を申し込んでみると、「担保の追加」を求められることもあります。
時々、こういう言葉が原因で銀行と企業とでちょっとしたトラブルを起こすこともあります。
このサイトにも書いていますが、「前向きに検討します」というような言葉と同じです。
「枠」と「極度」の違いは、言葉の表現の違いのようなときもありますし、基本的は「契約書の有無」によって、その区別があるということです。