case30・・・事業承継のネック④

そもそも、事業承継で何を承継するのか、ということをハッキリさせておく必要があります。

会社を残したいのか、事業を残したいのか、技術を残したいのか、資産を残したいのか、働く環境を残したいのか。

 

いろいろと残していきたいと思うのが、経営者の考えなのは当然のこと。

 

あなたの会社の何を残す必要があり、何を残さなくてよいのか、ということを見定めてください。

会社を残したい、いまある全てをそのまま残したい、というのが一般的でしょう。

この場合は、キチンとした承継の手続きをしていく必要があります。

 

事業を残したい、という場合。この場合は、事業を残すことができれば良いので、他社へ事業売却することも手段の一つとなります。(M&Aです。)

技術を残したい、という場合も、他社・他者へ引き継げば良いという選択肢があります。

資産を残したい、という場合は、動産・不動産ということでしょうから、人的資産は整理する方向になるでしょう。

働く環境を残したい、という場合は、会社を残すという場合に近いのですが、これはMBO(従業員による企業買収)やLBOなどのM&Aで、引き継ぐという策も可能です。

 

何を引き継ぎたいのか、ハッキリさせることで、事業承継の方針や方法が変わることにご注意ください。

 

これらのどれを選んでも、賛否両論あるのは仕方ありません。

方針を決める、話し合いをする、意見を交わす、より良い方策を再考する、ということを繰り返すことが必要でしょう。

経営者の独りよがりでは、何事も上手く行かないというのも、分かりきったことです。

ましてや、経営者だけの利益を考えた方針のような独断専行の場合は、協力者は得られず計画実行は不可能となる、もしくは、想像もしなかったような最低・最悪の結果になる、ということもあります。

 

会社というのは、社会の公器です。そして、たくさんの人の集まりであり、ひとつの社会です。

ひとりひとりの人を大切にする、お互いの将来を思い遣る、心温かい、血の通ったプランでなければ、事業承継は上手くいかないのです。

現経営者、後継者は、経営者としての素質・資格・覚悟が必要なことはcase29で述べました。

さらには、ひとりの人間として、立派な社会人として、道徳のある、人情・慈悲のある、教育のある、信頼・信任のある人でなければなりません。

 

方向をハッキリさせること、話し合うこと、人として魅力ある後継者であること、これらが噛み合って、事業承継は上手く進みます。

 

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