とある質問を受けました。
ある企業では、経営革新計画を申請し承認を受けました。
その経営革新計画の承認を受けたことで、銀行に融資を申し込みましたが、融資を断られました。
なぜ断られたのでしょう?という質問です。
そもそも、経営革新計画というのは、経営を革新して儲かるビジネスを構築したり、新しい事業展開をしたりすることに対して、地方自治体が承認しますというものです。
その承認を得られると、公的融資の金利優遇があったり、税制優遇があったり、公的機関の支援が受けられたり、というメリットが受けられます、ということです。
ただし、融資に関しては、融資審査を保証するものではありません、と謳っているはずですね。
融資の審査では、モチロン、経営革新計画があることはプラス評価されますが、現在までの財務状況、取引状況、会社規模に対する借入金の状況、担保の有無、保証人の有無、将来性、経営者の人柄、今後の事業の将来性、計画の信憑性などなど、様々な角度から、いわゆる「総合的に審査し、判断する」ということに変わりありません。
つまりは、経営革新計画の承認は「水戸黄門の印籠ではない」ということです。
金融機関から言ってみれば、「だから、どうしたの?」というくらいのものなんですね。言葉が悪いですが・・・
政府行政と民間企業の温度差が違うということ、リスクテイクする者としない者との温度差が違うということです。
融資には、貸すリスクと貸さないリスクの両方があります。そのリスクを判断するのが審査です。
各自治体、中小企業支援団体によっては、経営革新計画承認件数という目標が課されていることもあり、言い換えれば、「私たちは、中小企業をこれだけ支援していますよ」というアピールするためにも都合がいい政策の一つとも言えるわけです。
とは言っても、経営革新計画の本来の目的は、「経営者が今の会社、事業、将来の計画等々を見つめ直し、新たな気付きを得たり、事業展開のアイデアを見出す」ことに何ら疑いの余地もありません。
ですから、経営革新計画を取得するという目標は大切ですし、その過程も大事です。
具体的な内容を書くわけにはいきませんが、債務が大きいとか条件変更がなされている場合には、経営革新計画があって追加融資を申し込むとしても、審査は別物だと言わざるを得ません。
金融機関が申し込まれた融資を断るには、断るだけの理由があったからだということです。
ただし、別の金融機関に相談してみれば、融資のOKが出ることもあります。それぞれ、判断が違うこともありますから、一度断られたことで諦めないで、別の方法を考えるとか、別の先を探すとか、ベクトルの向き、考え方を変えてみて、再チャレンジしてみてください。
参考にしていただけましたか?