下請けのあなたは、強気で交渉できますか? |
この成功法則に記載の内容は、会員限定で毎月無料配布している情報誌に掲載したものです。
短い文章ですが、経営の、成功へのエッセンスだけは盛り込んでいます。何かのヒントになるかと思います。
元銀行員で、現在経営コンサルタントでもある私が見た「いい企業」を紹介します。
今回はあるゴム製品製造業S社です。
いろいろなゴム製品を加工しているS社ですが、完成品メーカーではなく、大手メーカーのいわゆる「下請け」です。
「下請け」ではありますが、決して「仕事をください」というような営業はしていません。
むしろ、大手メーカーの開発担当者が「社長、これ、何とかなりませんか?」と仕事を持ち込んできて、お願いするのです。
この社長が面白くて、私も銀行員時代、何度も何度も通いました。
いつ行っても「社長はいないよ」という返事ばかりだったのですが、ある日、工場の入口で作業着を来たオジサンに「社長ですか?」と聞いてみました。「うぅ、うん」そのオジサンこそ社長だったわけです。
社長曰く、「銀行員と話しても面白くないから」、「どんなヤツが来ても、居留守だよ。」と。
「君には参ったよ。何度も来るんだから。」
こんなちょっとしたことがきっかけで、社長と話すようになり、私がいた銀行と融資取引するに至ったのですが、仕事を見てるとほんとに面白いのです。
せっかく来た大手企業の担当者を怒鳴りつけるんです。
「帰れ~」といった勢いで。
それで担当者は一旦帰るのですが、また来るんですね。
それも、菓子折り持参で、仕事もいい条件で。
無茶苦茶な感じがしましたが、この社長、仕事は物凄くキッチリと、それも高品質で、他社も真似できないくらいのことをやってのけるのです。
技術力が高いわけです。ただ、大手企業は下請け泣かせの条件で交渉してくるのですが、難しい仕事を他社ができないことも知っているわけですから、敢えて強気の交渉を社長はやっているようです。
まあ、大手担当者も社長の人柄がとても好きなようでしたが。
今も、不景気とは無関係のような成長をしているようです。
人間性なんですよね