case55・・・事業性評価融資~従業員~

「事業性評価融資」や「事業性評価に基づく融資」というのは、端的には、「事業性を評価した担保・保証によらない融資」(以下、「事業性評価に基づく融資」という。)と金融庁が言っているもので、決算書の内容や保証・担保だけで判断するのではなく、事業内容や成長可能性等も評価して行う融資、ということです。

平成26年夏頃にこの言葉が金融庁から出てきます。

(参考:http://www.fsa.go.jp/news/26/20140911-1/02.pdf)

(参考:円滑な資金供給の促進に向けて:http://www.fsa.go.jp/news/27/ginkou/20150730-1/01.pdf)

「事業性評価融資」については、「case53・・・事業性評価融資とは?」でも説明していますので、左記リンクからご参照ください。


 

事業性評価融資では、経営計画書や事業計画書にはじまり、知的資産評価、個別ノウハウの評価など総合評価が必要となるかと思われます。

ここでは、case53の中で書き出したリストについて、一つ一つについて説明したいと考えております。

以下は、case53で挙げた見るべきポイントの一覧です。

  1. 経営者の姿勢、やる気、人柄、経歴、人脈、健康状態、家庭環境
  2. 従業員との関係、従業員間の連携具合
  3. 技術力の裏付け(従業員の技術・処理能力や余力、保有機械の技術・処理能力や余力、材料・技術等の組み合わせ、独自ノウハウ、特許・意匠、非公開技術、作成・納入事例、受賞歴など)
  4. 製品・サービスの特異性や競争力、差別要因
  5. 仕入から納品までの各工程の作業内容、特異性
  6. 商品設計やデザイン設計等初期工程でのノウハウ、工夫、アイデア
  7. 営業・企画・広告のノウハウ、工夫、アイデア、実績、計画
  8. 工場・倉庫・営業所等のレイアウトや5Sの状況、工夫
  9. 工場機械設備、冶具、車両等の保有・稼働状況
  10. 研究・研修の取組状況・実施体制
  11. 仕入先との連携・関係
  12. 販売先との連携・関係
  13. 展開・進出可能なエリア、業界、業種
  14. 専門機関、研究機関、専門家等外部との連携
  15. そのほか

 

今回は、事業性の評価として、「従業員」に関するポイントについて述べます。

 

金融機関担当者が経営者や経理担当者のほかに、その会社の幹部社員や従業員と面談することは少なく、また話をすることさえもほとんどありません。

ただ中には私のように変わり者の銀行員もいて、そういう人は「現場の声を聞くのは大いに役立つ」ということを知っているはずです。

なかなか従業員さんたちと話す機会は無いのですが、工場の中を見せてもらったり、工程の説明をしてもらったりする機会や休憩中に話すことは可能です。

 

直接話す機会が無くても、会社訪問の際に挨拶するとか、待ち時間があれば世間話をするとかはできます。

また、社内での仕事風景を眺めることでも、何となくの雰囲気は掴めます。

 

何を知りたいかというと、社長や経営者と社員や現場の関係性や相互信頼の度合いです。

経営者が創業者やカリスマ性がある人の場合は、その経営者に「付いていく」という気概を社員が持っています。古参社員は特にそういう感じがあります。ここには、言葉にすることがなくとも信頼関係があると言え、例え会社がピンチになろうとも、最後まで付いてきてくれると経営者も信頼・安心しているような感じがあります。

こういう経営者と社員の相互信頼関係は、傍目に見ても、とても安心できるものです。

 

とはいえ、カリスマ性がある経営者ばかりではありませんので、その関係性をどうなのか見ておくべきでしょう。

経営者と社員の信頼関係が良い会社はどういう感じでしょうか。

以下は見るべきポイントの一部です。

  1. どの社員もあいさつやお辞儀をしっかりする。
  2. 社内の雰囲気が明るく、社員同士の会話で笑顔が多い。
  3. 社員同士で屈託なく意見を述べている。
  4. ピリピリしている感じは少ないが、テキパキと各自の仕事をしている。
  5. 電話に応じる対応がはやい。
  6. 出入りしている業者さんとの会話ややりとりが和やか。
  7. 机の上や作業場が比較的スッキリしている。
  8. 社内の掃除がキレイに出来ている。ゴミが落ちてない。
  9. トイレ、ゴミ置き場や給湯室がキレイ。
  10. 社外の掃除がキレイ。植木や花壇もキレイ。雑草がない。
  11. 事務所内や工場・倉庫内が整理整頓されていて、綺麗にされている。
  12. 社内行事(宴会や旅行など)の参加が良い。
  13. 社員による社内外での活動(スポーツや趣味など)もある。
  14. 経営者の自宅によく社員が出入りする。

 

これらの内、掃除に関わる点ですが、用務員や掃除業者がいない会社と思ってください。

このような感じの会社は、もちろん社員教育や道徳教育がしっかりとしているのですが、経営者も社員も自発的にしていることが多いようです。

例えば、目の前に小さなゴミが落ちていれば、「誰かが拾うだろう」とか「後で拾おう」というのではなく、気が付いた人がその場で対応しています。

こういうことは、なかなか言って聞かせるものではなく、経営者がそういう人でなければ、社員はやりません。

社員の何気ない言動にこそ、その会社が映し出されており、社員は経営者の鏡でもあると思います。

 

ちなみに、社員が経営者の不満や愚痴をこぼすことがあれば、どうでしょう。

それは何も問題では無い、と思います。普通のことですから。

逆に、社員が経営者のことを「素晴らしい」といった褒めちぎる場合は疑いの目を持つべきではないでしょうか?

本当に素晴らしい経営者の場合は疑いはありませんが、社員が褒めちぎる場合は経営者から「聞かれたら、そう答えろ」と言われていると思います。 

 

そして、実際に経営者との面談において、社員との関係性を聞いてみて、自分の目で見た実際の光景と経営者の話の辻褄が合うかどうかを判断します。

会社の業況が良くて、給与も処遇も問題ない時は何でもありません。

ただ、会社の業況が芳しくなく、リストラを考えなければならないようなときを考えているわけです。

会社は経営者がいても、社員がいなければ十分な運営ができず、売上も利益も得られません。

会社が困ったときに、社員が簡単に離散するようなことでは困ります。

経営者と社員の相互信頼関係がどの程度あるのかは、こういうときに分かります。

 

実際に、経営状況が悪く、リストラで社員の一部をクビにすることはあっても、社員が進んで退職するような会社では困ります。

「この会社にいても先が無いから、新しいところを探す」という社員を否定することは出来ませんが、大半の社員がそういう行動の会社では、要は「経営者、会社の信用が無い」わけです。

 

会社というのは、波のように良い時も悪い時もあり、平穏に過ごせるときが少ないくらいです。

誰かしらがバタバタ、ドタバタしているのは当たり前です。

取引先とのトラブルがあったり、経営環境が変わることがあったり、自然災害に遭うことだってあります。

永く続く会社はそういう度重なるトラブルや難事をいくつも乗り越えているわけです。

そして、そこで永く務める社員も同じように苦労に苦労を重ねているわけです。

苦楽を共にする、っていえば人情噺みたいですが、そういう関係が経営者と社員には欠かせません。

 

創業期や創業間もない会社の場合は、上述のような話は別物です。

とはいえ、何らかの縁があって集まっていることが多いでしょうし、相応の信頼関係がなければ、その場にはいないでしょう。

ということで、創業メンバーというのは大体は信頼関係があるはずです。

 

 

事業性評価融資のポイントで上記が当てはまるか否かは定かではありません。

が、経営者と社員の関係性は評価ポイントとして十分考えられます。

ただ、ここに書いたようなことを細かく見る体制があるかどうか、という金融機関側の体制もあります。

経営コンサルタント・中小企業診断士とすれば、銀行員にはこういう点も見て欲しいとは思っています。

 

ご訪問ありがとうございます。
今日は です。

銀行、融資、不動産担保、事業性ローンの講座はこちら
(基本や事例を知りたい方はこちら)

不動産担保ローン・事業性ローンの検索はこちら
(お悩みの方、すぐ借りたい方はこちら)

(WEBの活用でお悩みの方はこちら)
 

初回相談無料!! お気軽にお問合せください クリックでSSLセキュリティ対応のお問い合わせフォームが開きます
(お問合せの際はこちらをクリックしてください)



お気に入りに追加&ATOM FEED

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 購読する
 


TOP