事業性融資にはなぜ担保や保証人が必要なのか?

いつからそうなったのかは分かりませんが、事業のために使うお金(事業性融資)を借りる場合には、必ずと言ってよいくらいに、担保や連帯保証人が必要とされます。

なぜ必要なのでしょう。

 

素朴な疑問ですが、個人の無担保ローンでは数百万円までは担保も連帯保証人も不要なローンが多くなっています。ただ、申し込みには連帯保証人を求められなくても、保証会社による保証がセットされています。(申込人の連帯保証人には保証会社がなっています。)

まぁ、物的担保を求められていないので、無担保には間違いはありません。

 

事業性融資の場合は、中小企業・小規模企業であれば、代表者が連帯保証人になります。そして、工場や店舗などの社有資産が物的担保になることが多いです。また、代表者の自宅なども物的担保になることも多いです。

一方で、毎年の業績の報告や随時の報告として、決算書や試算表を提出することになります。

人的担保、物的担保、業績報告とすべてを差し出したり、報告したりしているのです。

さらにメインバンクであれば、売上代金の入金口座、従業員の給与振込口座や積立預金口座などもある上、公共料金の口座引き落としや取引先への支払いなど、ありとあらゆる資金の入出金も把握されています。

このような状況であれば、会社のことは、ある意味で「すべて把握されている」わけです。

 

この状況であれば、業績が悪化する場合も事前に把握できますし、業績好転の兆しも把握できます。

何から何まで把握できる状況であれば、なぜ「担保や保証人が必要なの?」でしょうか。

 

裏返して言えば、

「銀行は把握しているようで、普段は何も把握していない。放ったらかし。」

「融資先が良いのか悪いのかは、年に1度の企業格付や自己査定の見直し時に把握する。」

「日々の状況変化の把握はしていない。」

 

だから、「融資先企業のことは、ある意味、何も分かっていない。万が一、業績悪化で融資が回収できないと困るので、連帯保証人や物的担保で押さえておいて、出来るだけ損が出ないようにしておく。」

これが、銀行の融資の実態だと思います。

(ここ数年では、人員不足も相まって、融資先の実態把握に時間を割けないため、実態把握や事前察知などの融資判断能力の低下は否めないでしょう。)

 

 

かつて私は銀行員として、融資の営業もしましたし、融資の審査もしましたし、回収もしました。

私が担当していた企業や個人事業主には、月に何度か訪問しますから、いまどういう方向へ進んでいるのかという状況を把握しますし、企業側といろんな話をしますから、これからどうなるのかも把握・察知できます。

こういう状況であれば、極端な話、融資に対して、連帯保証人や物的担保の意味はあまり無いと感じていました。

(ただ、物的担保については、売却などの処分するときの弁済の順序もあるので、これは貸し手にとっては交渉上も有利なものには違いありません。しかし、人的担保である連帯保証人については、「本当に必要?」と思うこともしばしばでした。)

 

確かに、いざというときに逃げそうな経営者であれば、連帯保証人として契約をしておけば、貸し手はある意味で安心です。逃げにくくする足枷ですから。(融資のルールが性悪説に基づいていると考えれば、連帯保証は必須です。)

ただ、ほとんどの経営者は、事実上、「逃げも隠れもできない」し、そんなことをするような人がこの日本で経営者となれるようなことも無いのです。中小企業や小規模企業の場合は、そもそも従業員が付いて来てくれないです。

 

性善説に基づき、そして、日本人の国民性を十分に考慮していれば、連帯保証人の必要性は希薄なのではないかと思います。(ただ、日本では江戸時代?から連帯保証・第三者保証の制度が根付いていたので、その名残・慣習なのかもしれません。)

諸外国でも「単純保証人」の制度はありますが、日本のような「連帯保証人」制度はあまり無いと聞いています。連帯保証人は債務者と連帯して債務を負うのです。債務者が返済しなければ、連帯保証人がその返済義務を負うのです。

(ある意味、連帯保証人ほどメリットの無いものはありません。連帯保証人になっても何も得るものは無いですから。連帯保証人には保証料を払う義務があるとか、株主と同じく議決権を与えられるとか、何らかのメリットがあっても良いはずです。デメリットばかりが目に付く連帯保証人制度は早急に改正すべきでしょう。)

 

中小企業・小規模企業・個人事業主は、連帯保証人(人的保証)の問題もあり、事業相続の上でもトラブルになります。開業・廃業率で廃業率が上回る事態や後継者不在問題は、この連帯保証人制度に大きく影響されていますから。

法の制度設計をする方々には、中小企業や小規模企業の抱える不安や問題が分からないでしょうから、この連帯保証人制度の改定・廃止が遅々として進まないのでしょう。

形骸化していると気が付いているうえ、国際的に見ても、日本の制度が時代遅れであることも明確なのに、なぜ対応しないのでしょう。

 

アベノミクスの経済政策、中小企業政策の1つとして、連帯保証人制度の改定・廃止を盛り込んでいけば、中小零細企業、小規模企業の後継者問題や相続問題はスムーズに乗り越えられるようになり、開業率も廃業率を上回り、起業ラッシュも起こるのではないか、と思う次第です。

そして、やるならガラッと変化・廃止していただきたいですね。

 

ご訪問ありがとうございます。
今日は です。

不動産担保ローン・事業性ローンの検索はこちら
(お悩みの方、すぐ借りたい方はこちら)


事業性融資・ビジネスローン講座

経営改善・事業再生・再建講座

不動産担保ローン講座

カードローン・キャッシング講座

中小企業の経営指標

よくある質問

無料ダウンロード

ブログ・メモ

プレスリリース NEWS


お気に入りに追加&ATOM FEED

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 購読する
 


TOP